こんにちは!しみたかです。
今回は、原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』を読んだので感想を書いていきたいと思います。
主人公の成長に励まされると共に、言葉には力があるということを感じられる作品です。
- 誰かに何かを伝えたいと思っている人
- 感動するお仕事小説が好きな人
- 原田マハのファン
『本日は、お日柄もよく』とはどんな話か?
フツーのOLが参列した結婚式で涙があふれるほど感動したスピーチに出会ったことをきっかけにスピーチライターの仕事に興味を持ち、言葉の力を実感していくようになっていきます。
スピーチライターの仕事を通してフツーのOLが成長していく物語です。
この本を読んでいると言葉には力がある
そう信じられる作品です。
スピーチライターとは演説(スピーチ)をする本人に代わって、スピーチの原稿を作成する仕事です。
主な登場人物
- 二ノ宮こと葉
-
主人公のフツーのOL。久遠久美の感動的なスピーチを聞いたことがきっかけで、スピーチライターを志すことになる。
- 今川厚志
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こと葉の幼なじみのコピーライター。新婚。こと葉の片想い相手だった。
- 久遠久美
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伝説のスピーチライター。こと葉の師匠になる。
- 和田日間足
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わだかまたり。大手広告代理店の敏腕コピーライター。こと葉のライバルになる。
- 今川篤郎
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厚志の父で故人。生前は野党の幹事長だった。
著者について
原田マハ
1962 年東京都生まれ。関西学院大学文学部日本文学科、早稲田大学第二文学部美術史科卒業。伊藤忠商事株式会社、森ビル森美術館設立準備室、ニューヨーク近代美術館勤務を経て、2002年フリーのキュレーター、カルチャーライターとなる。2005年『カフーを待ちわびて』で第1回日本ラブストーリー大賞を受賞し、2006年作家デビュー。2012年『楽園のカンヴァス』で第25回山本周五郎賞を受賞。2017年『リーチ先生』で第36回新田次郎文学賞を受賞。ほかの著作に『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『たゆたえども沈まず』『常設展示室』『ロマンシエ』など、アートを題材にした小説等を多数発表。画家の足跡を辿った『ゴッホのあしあと』や、アートと美食に巡り会う旅を綴った『フーテンのマハ』など、新書やエッセイも執筆。
引用:原田マハ公式ウェブサイト
名前は聞いたことがあるような気がする
キネマの神様は聞き覚えがあるような・・・
読もうと思ったきっかけ
元気が出そうな本を書店で探していて、棚に陳列されているのを見て気になってパラパラと立ち読み。
冒頭の「スピーチの極意 10個条」を見て、なんか役に立ちそうと思い購入
【ネタバレあり】印象に残った部分
聞くことは、話すことよりもずっとエネルギーがいる。だけどその分、話すための勇気を得られるんだ、と思います
158ページ
今まで誰かと話をしているとき、聞き手に回っていると会話に参加できていないような感じがして焦燥感があった。
だが、この言葉から今までのことを思い出だしてみると、テクニックにばかり気を取られていて、肝心の相手の話を聞くことにエネルギーを使っていないのではないかと思うようになりました。
「話すため聞く」会話のときに意識するようにしていきたいです。
何かをひとつ極めるためには、何かをひとつ捨てなくちゃいけない
238ページ
主人公・二ノ宮こと葉が本格的にスピーチライターの仕事に専念するために勤めている会社を辞める決意を決めた言葉。
こと葉の覚悟の現れを感じるとともに、そういう決意を抱かせるような言葉の力を感じた。
言葉が他人の人生に影響を与えることがある。そう思えるシーンでした。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙がとまっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している
322ページ
主人公陣営が最大のピンチを迎えた物語の終盤。
うろたえる二ノ宮こと葉に向けて師匠・久遠久美が聞かせた言葉。
久遠久美自身も絶望に打ちひしがれていた時にこの言葉によって救われている。
どんなに打ちひしがれていても、打ちのめされても、人は前を向いて歩きだすことができると心に刻まれたシーン。
ボク自身、うまくいかないとき、もうダメだ、と思ったときにこの言葉を思い出せるようにしていきたいと思いました。
そして、誰かを助けてあげるときにこの言葉をかけてあげたいと思いました。
読み終えての感想
言葉の力を信じられる
この本を読むまで、言葉の力なんて正直うさんくさいと思っていた。
でも、読み進めていくうちに、今まで自分の人生にも様々な言葉の影響を受けているんだなぁ~ということを思い出してきました。
大切な人に何かを伝えるときに読み返しておいて、言葉の力を実感していきたいと思いました。
スピーチのシーンに心動かされた
本書ではスピーチライターの物語なので、いろんなところにスピーチを行うシーンがあるんですよね。
ボクは、こういう小説で登場人物が大勢の前でスピーチをするようなシーンって、どうせ物語の中だけのことだろうと他人事のように思って読み流すことが多いんです。
でも本書ではスピーチの場面でもつい感情移入してしまって心が引き込まれてしまうような感覚になりました。
・・・物語の出来事であることは分かっているんですがね
実際のスピーチだとどうなるんだろうか
まとめ
- 誰かに何かを伝えたいと思っている人
- 感動するお仕事小説が好きな人
- 原田マハのファン
この本はフツーのOLがスピーチライターの仕事を通して成長していく様子が描かれた作品です。
この本を読んだ後には、言葉には自分を、相手を、ときには世界すらも変えられる力があると信じることができます。
- 道に迷ったとき
- 絶望に打ちひしがれたとき
この本を読んで、言葉の力を信じて前に歩みだしてほしいと思います。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
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